今年の正月は、一歩も外に出ることなく家で過ごした。
レトロゲームや古本を買いにハードオフやブックオフを回ろうと思っていたのだが、1日の朝から熱が出て結局外出できず、ほとんどベッドの上で過ごすことに。
本当に酷い正月だった・・・。
では今年の正月は家で寝てただけなのかというと、そうではない。
もし時間があったら、ずっとやりたいと思っていたことがあった。
オリバーベレス/グレッグ・カプラの
「デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術」
この本をもう一度読みたいなとずっと思っていた。
どうせなら読むだけではなくて、読んでいて感銘を受けた文章などをノートに書き写しながら読んでみようと。
この本、去年の夏ごろに一度読んでいるんだけど、俺は物覚えが悪いので一回通して読んだくらいでは内容をすぐに忘れてしまう。
素晴らしい本なのに、俺が馬鹿なせいでインプットできていない。
書かれていることをきちんと脳内に焼き付けるためにも、今回はノートを取りながら読んでいこうじゃないかと思った。
そしてせっかくなので、このブログにも本の内容を少しだけ引用させていただき、その上で感想や気づいたことなども記していきたい。
最初の教訓は、「株式を取引するのではなく、人を取引する」だ。あまりにも多くの初心者が、1つ1つのトレードには必ず相手がいるということを認識していない。株式を買うたびに、誰かが必ずその株式を売っており、株式を売るたびに、誰かが必ずその株式を買っているのである。問題は、「どちらが、より賢いのか」ということである。(P.22)
はい。全く認識できていません。
デイトレードをしている最中、そういうことを考えている余裕が全然ない。
特に寄り付き後30分はいつも緊張に支配されてしまう。
チャートを見て、歩み値を見て、板を見て、テクニカルを見て、
「ここでエントリーしてもいいのか」「上か、下か」「どこに指値をいれるか」
自分しか見えていない。
自分がいかにして儲けるか、頭の中にはそれしかない。
その結果、独りよがりな勢い任せのエントリー。
で、負ける。
9時半を過ぎて値動きが落ち着いてきた頃、ようやく自分の精神も落ち着いてきて冷静になり、
「どうしてこんなひどいトレードをしたのか・・・」と後悔が湧いてくる。
成功しているトレーダーの財産は彼の思考回路にあるのであって、彼のトレーディング手法にあるわけではない。(P.24)
ずいぶん前にYouTubeでヤーマン氏のデイトレード配信を見た。
普段なかなか見れない実際にトレードしているところを無料で見られる貴重な内容。
見た感想は、
「なんかめっちゃ簡単そう。これなら俺でもできるのでは?」
そう思い、実際に試してみたところ、
「ムズすぎワロタ・・・」
全然うまくいかなかった。
当たり前だが、自分とヤーマン氏では思考の回転速度が全然違う。
ヤーマン氏に限らず、デイトレで勝っている人はエントリー、利確と損切りの判断、
すべてが早い。
俺は思考と行動が直結できていない。
「買いだ!」と思っても、
「いや、ちょっと待てよ・・・」
と、一瞬躊躇してしまうことが多い。
スキャルピングにおいて、こういう躊躇は命取りになってしまう。
勝っている人の手法を学べば、きっと俺も勝てるようになる!
そう思っていた時期がありました・・・。
トレーディングの最中に「なぜ」を問うことは、自らが悩み、そしておそらくは困惑し、結果として行動をとることができないという罠にはまっている兆候である。その意味で、「なぜ」は危険なものである。(P.82)
疑問を持ち出した瞬間が退場の瞬間なのである。「なぜ」を追い求めること、理由を探し回ることは、自分が負けたこと、そして、自分の行動に責任を持てなくなったことを意味する。「なぜ」を問いかけるべきは、取引を開始する前、あるいは取引が終了した後である。戦いのまっただ中にいる時、とるべき選択肢は行動であり、疑問ではない。(P.82)
ある日の後場でのトレード。
とある銘柄を買いで保有。
チャートはじわじわと右肩上がり。少しずつ増えていく含み益に顔も綻ぶ。
しかし、2時過ぎになり突然急落。
見たこともないような巨大な大陰線が出て顔面蒼白。
気が付けば含み益→含み損。
「は? なにこれ? なんでいきなりこんな下げてんの?」
何か悪いニュースでも出たのかと、ネットで調べるも何も出ていない。
これだけ下げたのだから、待っていれば少しは反発するだろうと静観を決め込む。
とうに損切りラインを割っているのに、粘ってしまった。
しかし、反発することは無く、結局引け間際の2時50分ごろに損切り。
「なぜこんなに下げた?」
場中ずっとそればかり考えていた。
トレードの最中、予想外の展開になると思考が停止してしまうことがある。
「なんで?」
「おかしいだろ!」
「ふざけるな!」
感情的になったり、頭の中が真っ白になってしまったりして、すぐに行動に移せない。
多くの人々は、勝者が自信と確信を得ているのは彼らが勝っているからだと思うが、実際は、勝者は自信と確信を得ているから常に勝てるのである。取引開始前に負けている自分を想像するようなトレーダーは、いかに取引手法が健全でも勝つことはできない。「自分が何をやってもうまくいかない」と心のどこかで思っていれば、いくら資金があっても破滅は避けられない。(P.131)
負けが続いている時、
「どうせ今日も負けるんだろうな・・・」と、
寄り付き前からひどく後ろ向きな気持ちになる。
その後のトレードでも、エントリーを躊躇したり、利確が早すぎて大した利益を得られなかったり後悔が残る中途半端なトレードをしてしまい、それでまた落ち込む。
一度の負けをかなり引きずってしまう。
気持ちを切り替えることができていない。
「明日は、今日の負けを取り戻そうなんて思わず、自然体で頑張ろう」
負けた日のブログのラストはだいたいそんな前向きな言葉で締めくくり、いかにも気にしていない風を装っているが、実際にはそんなことはなく、滅茶苦茶メンタルにダメージを負っていることが多い。(笑)
デイトレはメンタル。
つくづくそう思う。
寄り付き後5分間はエントリーしないというルールを作ったと前回の記事に書いたが、これもトレード中に自分のメンタルを少しでも安定させるために作ったマイルールだ。
初動を取れなくても、激しい値動きにメンタルを揺さぶられているようではどうせ勝てはしないし、落ち着いてトレードできる環境の方が大事。
また、年末に投稿した記事に、
「2024年1月はグロースの銘柄中心にデイトレする」と書いたが、
これもやっぱりやめとこうと思う。
IPOやグロース株のような値動きの激しい銘柄では、自然体でトレードできない。
デイトレを始めたばかりの2023年の1月~2月は、グロースやIPOを中心に触って、大きく取れることもあったけど、それと同じくらい大きく負けることも多かった。
株価の乱高下にうんざりしてプライムに移ってきたのに、またグロースでやるのか?
そういう思いがある。
ヤーマン氏やRょーへー氏みたいな著名なデイトレーダーの方々がグロース中心にトレードしている人が多いから、
自分もそうしなければいけないと考えてしまっていた。
参考にさせていただくことはあっても、別に真似する必要はないんじゃないか。
自分が勝ちやすいところで戦う方がいい。
さて、長くなってしまったので、今日のところはこれくらいにしておこう。
他にも引用したい箇所はたくさんあったのだが、それはまたの機会に。
しかし、本当に素晴らしい本じゃないか。
まさに、全デイトレーダーのバイブル。
白状すると、前回読んだ時にはよくわからなかった部分も多くて、例えば
「株式ではなく、人を取引する」
とか言われても、正直なところあまりピンとこなかった・・・。
デイトレードを一年間通してやってみた上で今回改めて読んでみると、より味わい深くなった印象を受ける。
これからも、また時間があるときに何度も読み返してみたい。
最後に、この本の中で一番感銘を受けた文章を引用して締めたいと思う。
私は、気が滅入るような連敗に打ちのめされ落ち込んでいる時(これは誰にでも経験のあることであるが)には、人生やトレーディングにおける成功が容易だと約束してくれた者など1人もいなかったことを自らに言い聞かせる。それでも、言い訳をすることは簡単である。しかし、言い訳をしたところで、一銭も儲かりはしない。私は真のトレーダーを敬愛する。彼らは勇気とは畏れることであることを認識しており、「とにかく行動してしまう」のである。言い訳は敗者のためのものである。(P.253)