灰色の毎日

人生の敗残者が綴る日記。2023年から株のデイトレードを始めました。

リスクの心理学を読んだ

 

今月だけで投資関連の本を10冊以上も購入してしまった。

だけど忙しくてなかなか読めていない現状。

 

本を読む時間をもっと増やしたいとは思うんだけど、他にもいろいろとやることがあって、本だけがひたすら溜まっていく。

 

株の勉強はやっぱりYouTobeを見ることが多い。

ひたすら文字だけを追う読書と、映像や音声で学べる動画とでは、当然だけど動画の方がすんなり頭の中に入ってきてわかりやすいからね。

 

例えば、テクニカルについて学びたいと思ったとき、本を読んで学ぶか動画を見て学ぶか考えると、動画の方がどうしたってハードルが低いじゃない。

無料だし、疲れないし。

気が付けば3、4時間ぶっ通しで動画を見続けることだってザラにある。

 

読書だとそうはいかない。

どんなに面白い本を読んでいたとしても最近は1、2時間で疲れてしまう。

 

読書自体は昔から大好きなんだけどね。

 

 

昨日、アリ・キエフの「リスクの心理学」という本を読了。

 

うみはらさんという俺がよくチェックしている投資系ユーチューバーの方が以前動画でこの本をお勧めしていたと思う。それを見て俺は購入したんだけど・・・。

 

本当に素晴らしい本だった。

俺はこういう本が読みたかったんだと感じた。

 

せっかくなのでこの本の感想でも書いていこうかと思ったんだけど、俺は昔から読書感想文を書くのが苦手でね・・・。

 

どんなふうに素晴らしかったのか、それを自分の言葉でわかりやすく相手に伝えるのが本当に苦手なんだ。文章力が無いので陳腐でおおざっぱな表現しかできないんだよな。

 

俺の言葉ではこの本のすばらしさを伝えることはできないと思う。

 

なので、そういうのは控えめにして、実際に俺がこの本を読んで感銘を受けた文章、勉強になったと感じた箇所などをいくつか引用させていただく。

 

リスクを取るとは、確実性のない未来の視点からものを見て生きることである。失敗するかもしれない、笑いものになるかもしれないといった心の声には耳を貸さず、自らのビジョンを明確にし、その実現のための目標を設定することである。トレーディングについて言うなら、まず具体的な利益目標値を設定し、その達成に必要な戦略を割り出し、あとは足元の結果に一喜一憂することなく、その戦略の実行に専念するということになるだろう。

引用:アリ・キエフ 【新版】リスクの心理学

 

 

 

リスク管理を統計的に分析した研究によれば、株式や債券といった投資対象の種類に関係なく、トレーディングの利益の大半はごく一部の売買(率にして三~一〇%)から生まれるという。このことは、チャンスがめぐってきたときに利益を最大化させることの重要性を示している。含み損が出たら辛抱強く待ち、含み益が出たら早々に利益を確定したいのが普通だが、その逆が正しい戦術なのだ。

引用:アリ・キエフ 【新版】リスクの心理学

 

 

達人トレーダーは、含み損が出たら必ず手じまう。例外は、現在の価格水準が正当化できないほど低いことがファンダメンタル分析から明らかであり、価格を押し下げている噂には根拠がないと確信できる場合だけである。といっても、相場の反転を単に「期待」するわけではない。いったん手じまって損失を確定し、価格が底を打って上昇し始めたところで買い戻すのだ。

引用:アリ・キエフ 【新版】リスクの心理学

 

 

人間が頭の中で考えていることは、その人の人生のいろいろな出来事や、他人から受ける反応に影響を及ぼす。読者も一度は、なぜ自分は成功していないのか、なぜ成功を維持できないのかを考え、いろいろな理由を並べた経験があるかもしれない。これから何をどうすればよいのかとか、周囲が変わらなければだめだとか思ったことがあるかもしれない。 しかし、今の自分の姿は自分が無意識のうちに選び取った姿かもしれない、とはおそらく思いつかないだろう。

引用:アリ・キエフ 【新版】リスクの心理学

 

 

達人と呼ばれるトレーダーは、事実やデータの分析に没頭したりしない。自分がつくったモデルや知的生産物の正確さに惚れ惚れすることもない。不確実であることを恐れて売買に踏み切れなかったり、十分な利益を生む前に怖くなってポジションを手じまったりすることもない。達人は利益をあげることにしか興味を示さず、不確実性を伴うトレーディングにも積極的に取り組み、最大限の利益が得られるように辛抱強くポジションを保持することができる。投資している株について、トレーディングそのものから学べることも多いという事実を理解している。

引用:アリ・キエフ 【新版】リスクの心理学

 

 

まわりが買うから買う、まわりが売るから売るというやり方ではだめだということだ。 しかし、他人が何を考えているかをまったく考えずに売買するのも、やはり賢明ではない。他人がどう行動するかは重要であり、自分の行動にも影響を及ぼす。これは避けられない事実だ。だからこそ達人トレーダーは、ほかの市場参加者が市場の出すシグナルや情報をどう解釈するかを考え、それに基づいて決断を下すのである。 達人トレーダーは情報を得ると、ほかのトレーダーがそれにどう反応するかを考え、市場全体がそのデータや分析にどう反応するかという予測も加味したうえで売買を行う。好材料が出たら買いという単純な見方はしない。

引用:アリ・キエフ 【新版】リスクの心理学

 

 

 

損失を怖がるために適切なタイミングで売買できなかったり、あまりにも早く利益を確定してしまったりするトレーダーは、単なる慎重さを通り越して「損失回避」に陥っていることがある。トレーダーは自分の行動を正当化しようといろいろな理屈を並べるだろうが、このパターンに陥って損をしないトレーディングにのめりこむと、本当の意味での満足感が得られなくなり、絶望感だけが深くなる。そして自己防衛の習慣から逃れられなくなり、大きなリスクを取れなくなる。一発勝負に出ても調子があがらず、ますます自信をなくしてしまう。たとえ成功しても大した喜びは得られない。怖がっている分だけ全力を出し切っていないからだ。自分ではもっとうまくやれるとわかっていても、自己防衛の機能が働いて早々にゲームから降りてしまうのである。

引用:アリ・キエフ 【新版】リスクの心理学

 

 

トレーディングに失敗はつきものだ。自分に非があるなどと考えてはいけない。失敗とは、ゴールの到達に重要なポイントで対処を誤った結果でしかないからだ。つまり、失敗しても自分を直す必要はない。やり方か何かを正すだけでよいのである。  重要なのは、失敗や挫折から目をそむけるとゴールもビジョンも崩れ、自分とゴールとのつながりが絶たれてしまうということだ。ゴールに向かって邁進するには、自分の行動を修正して戦略に沿ったものに戻せるように、失敗をいさぎよく認め、どこで間違えたかを認識しなければならない。

引用:アリ・キエフ 【新版】リスクの心理学

 

 

これをやれば絶対に勝てるという保証はない。しかし、「自分はビジョンを実現できない」と考えたら、勝つ可能性はほぼゼロになる。能力を試すチャンスすら十分に与えることなくギブアップすることになる。運命や失敗には逆らえないという感覚は、自分は負けるという予想と同等の効果を持つ。もし自分のビジョンを実現したいと思うなら、そんな感覚や予想は絶対に乗り越えなければならない。

引用:アリ・キエフ 【新版】リスクの心理学

 

 

ポイントは合理的になることだ。損失が出たら切る。そして元気を取り戻し、次の攻めに臨む。過去を悔やまず、今日のプランを考える。過去の失敗を反省し、教訓を学び取る。過去はこれからの運用成績を測る物差しとして、戦略を改善するためのヒントとして活用する。過去とはそのように利用するものであり、トレーダーは常に先を見なければならない。

引用:アリ・キエフ 【新版】リスクの心理学

 

 

自分の成績をほかのトレーダーと比較してはならない。うまくいかないために落ち込んでいるとき、ほかのトレーダーがやすやすと目的を達成したり自分が欲しい能力を持っていたりするように見えるときは特にそうだ。また、リスクを取ることよりも後れを取り戻すことのほうを重視していると、このワナにかかる危険性は高くなる。

引用:アリ・キエフ 【新版】リスクの心理学

 

 

今日あるいは「今この瞬間」は頼もしい仲間である。これが敵に回るのは、「こうでなければならない」という常識や習慣、信念が目の前にある現実を歪めてしまうときだ。本書で何度も強調してきたように、この歪みを正すことがビジョンを実現させる第一歩である。

引用:アリ・キエフ 【新版】リスクの心理学

 

 

これはまさに、俺のことじゃないか!

読んでいて、何回そう思ったことか・・・。

 

他にも引用したい箇所がたくさんあるんだが、あんまりやりすぎると著作権法的に問題がありそうだし、この辺にしておく。

 

あのあまりにも有名な、オリバー・ベレスの良書「デイトレード」と同様、テクニカルだとか、投資の手法について解説してるわけじゃない。そういうのを期待してる人にとっては退屈な長いだけの本に感じてしまうかもしれない。

 

主にメンタル面、感情のコントロールについてのアドバイスや、心構えについて長々と書かれている。(全366ページ)

 

だけど今の俺にとっては、トレードの手法やテクニカルの解説よりもこういう本が読みたかった。

 

というのも、デイトレをやっていると感情のコントロールが本当に重要なんだなとしみじみ思うからだ。

 

毎回、己の雑念や欲望に振り回されて、思った通りのトレードができない。

そして勝ったと思ったら大きく負けてすぐに利益を失う。

自信が加速度的に失われていく。トレードを終えた後はため息ばかり。

 

だからこそ、この本に書かれたキエフさんの言葉が心に染みるんだよ。

 

 

著者略歴を見ると、アリ・キエフさんは精神科医で、ストレス管理とパフォーマンス向上が専門とのこと。機関投資家のメンタルケアを行っていたそうだ。

 

俺みたいな個人のデイトレーダー向けに書かれた本ではないみたいだけど、買って大正解だった。

 

投資をしている多くの人たちに読んでほしい良書だ。

 

今後はトレードの記録や日記だけではなく、投資関連書籍を読んだ感想などもブログに書いていこうと思う。

 

 

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