灰色の毎日

人生の敗残者が綴る日記。2023年から株のデイトレードを始めました。

精神科医への不信

 

 

精神科に通うようになって、もう10年くらいは経つでしょうか。

 

両親とほとんど喋らず、友達もいない私には悩みを相談したり心情を吐露したりできる相手というのが精神科の先生しかおりません。

 

先生とはこれまでずっと良好な関係を築いてきていたのですが、この前初めて意見の対立で軽い口喧嘩みたいなものをしてしまいました。今回はそのいきさつを書きます。

 

 

以前、派遣の仕事でとある倉庫に働きに行ったのですが、そこで自身の不手際で何度もミスをしてしまい社員やパートに怒られてしまいました。

どんな仕事でどんなミスをしたのか、それらについては長くなるので省略します。

 

もちろんミスをした私が悪いのですが、その非がすべて自分にあるのかと聞かれると、素直に「ハイ」と答えることはできません。

 

見苦しい言い訳にしか聞こえないと思いますが、私に作業を教えてくれたパートの女性(外国人)の説明の仕方が非常に分かりにくかったのです。

片言の日本語で、やたらと早口で喋ります。

 

うまく聞き取れず作業のやり方について私は何度も聞き返すことに……。

この時点で、「あ、これはやばいな」と思い始めました。

 

そして、作業のやり方や流れについて完全に把握できないまま作業が開始されます。

 

当然、私はミスを連発。

その度に、その外国人女性から厳しい言葉が飛んできます。

「ナニヤッテンノヨ!」

「ダカラソウジャナイッテ!」

「モウ、ハヤクヤッテヨ!」

などと煽られ続けます。

 

それから3時間……。ようやくお昼休憩。

私にとってはあまりにも長い、地獄のような3時間でした。

 

皆が休憩室に入っていく中、私は社員の男性に近づき、

「流れについていけないので、午後からは別の作業に変えていただけませんか?」と訴えました。

 

すると社員から、さらりと

「君、もう帰っていいよ」

と、言われてしまいました。

 

これまで派遣でいろんな場所に働きに行きましたが、途中で帰らされたのはこの時が初めてです。

めちゃくちゃ凹みました。

 

倉庫を出て、駅に向かってトボトボと歩いていく私の心に様々な感情が忍び寄ってきます。

屈辱感、敗北感、無能感。

 

今だからこそ、自分だけに非があるわけじゃないと思えるのですが、当時はそんな風に思えませんでした。

「俺ってほんと、ダメだな……」

「どうしてこう無能なんだろう……」

自分を卑下することをやめられず、そのせいで心が苛まれていきました。

 

この後、私は決まっていた派遣の仕事をキャンセルしました。

こんなことがあり、またすぐ別の現場で働こうという気にはなれなかったのです。

だって、そうでしょう?

別の現場に行ったとして、そこでもまたこのような辛いことが待っているんじゃないかと考えると気が引けます。

派遣で働くのって、こんなに辛いものなのかと思いました。 

 

 

で、話は冒頭に戻ります。

後日、精神科に薬をもらいに行った際、私は先生に今回の体験を話しました。

 

仕事をなかなか覚えられない自分。

パートの外国人女性から浴びせられたキツイ言葉。

途中で帰らされるという屈辱。

 

今回の体験で自分がどれほど苦しんで傷ついたか先生に伝えたのですが……。

先生から返ってきた言葉は、

 「君が今回行ったその会社は、派遣社員に冷たい会社だったんだよ」

「気持ちを切り替えて、また別の仕事を見つけようよ」

 

要約するとこういうものだった。

 

気持ちの切り替えって簡単に先生は言うけど、そんなことができるなら精神科なぞに通っていない。それができないから苦しんでいるんじゃないか!

 

この時、初めて先生に怒りを覚えました。

 

さらに先生は、俺が今後も派遣の仕事を続けようか悩んでいると伝えると、

 

「だって、君はお金を稼がなきゃいけないんだよね?」

「仕事で辛い思いをしているのは君だけじゃない。みんな辛いんだよ」

「がんばって、また別の仕事を探そう。君に合った仕事がきっと見つかるはずだよ」

 

などと口にした。

要するに、「くだらないことでいつまでも悩んでないで、さっさと仕事探せよ」ということだろう。

 

前から思っていたことがある。

先生は何でもかんでも『きれいごと』で片づけようとする嫌いがあるということ。問題はそんな単純じゃないというのに。

 

先生の言葉はどれも正論で優等生的で、だからこそ腹が立った。

あまりにも腹が立ったもので、先生が話してる途中に「今日はもう帰ります」と言って診察室を出てきてしまった。

 

俺は先生にどんな言葉を掛けてもらうのを期待していたんだろう。

「辛いなら辞めたっていいんだよ」って、言ってほしかったのかもしれない。

自分の望み通りの言葉が聞けなかったからといって、一方的に腹を立て帰る。

さすがにちょっと大人げなかったと思う。

 

でも、こちらの気持ちも理解してほしい。

今まさに苦しんでいる人の前で、気持ちを切り替えて頑張れだの、苦しいのは君だけじゃないだの、そんな上辺だけ取り繕ったキレイな言葉を並べられても全く心に響かないどころか怒りさえ覚える。

 

 

長々と書いてきましたが、前々回の記事で、精神科医に対して不信を懐いていると書いたのは、つまりこういうことがあったからです。

 

ちなみに、これ以後もこの精神科には通っていて、先生とも何事も無かったように普通に喋っていますが、だけどなんていうか私の中で先生への信頼が失われていってます。

病院を変えようかとも思いましたが、それはそれでいろいろと大変そう……。