喫茶店に行ってみたいなぁ、と思っている。
「だったら勝手にいけばいいじゃん」って話なんだけど、私の場合そう簡単にはいかないんです。
思えば私はこの年になるまで外食というものをした経験がほとんどありません。
というのも、うちの家族は母も父も外食が嫌いなんです。
インドア派と言えば聞こえはいいですが、ただ単純に無駄なお金を使いたくないのかもしれません。要は貧乏性なんですよ。
さて、そんな家庭で育った私ですから、外食というものに苦手意識を持っています。
10年間自宅に引きこもっていたのも関係しているのかもしれませんが、外に出てお店の中に入るのにすごく抵抗感があります。恥ずかしいんです。
お店に入ったことが無いから私にとっては何もかもが未知の世界。
入ってまずどうすればいいのか。なにもかもがわからない。
自分がきょどっている姿を店員や他の客に見られたくありません。
君子危うきに近寄らず。
外で恥をかくくらいならば外食なんて絶対にやめた方がいい。お金ももったいないし……。
そう考えていました。今までは。
考えを変えた理由は、わからないことを放置しておくのは良くないと思ったからです。だいたい、30を過ぎた大人が一人で外食もできないとはいかがなものかと。
そっちの方が恥ずかしいじゃないですか。
で、今年に入って外で食事をする機会を設けるようになりました。
最初は入るのにあまり抵抗を感じないハンバーガー屋からスタート。
ハンバーガー屋は子供の頃、友達と何度か行ったことがあったのであまり緊張せずに入れましたし、注文も問題なくできました。
次に牛丼屋。
私が派遣の仕事でたまに行く倉庫の近くに松屋があるのですが、そこで食事をしようと決意しました。
当日、恥をかかないようにあらかじめネットで注文方法を調べてから行ったのですが、松屋って券売機で食券を買って注文するんですね。それは知りませんでした。
券売機はタッチパネル式らしく、機械音痴の自分にうまく扱えるか心配でしたが、なんとかなりました。ただ、あの券売機、ちょっと使いにくいですね。
次にラーメン屋。
最寄り駅の近くに美味しそうなラーメン屋があったので、そこに入ってみることにしました。
店に入ると、すぐさま店員に「おひとりさまですか?」と聞かれました。
私が「はい」と答えると、「空いているお席にお座りください」と言われたのでカウンター席の一番端に座りました。やっぱり、端が一番落ち着きます。
私が行ったのは14時頃だったのでお店は空いていました。
メニューを見て何を注文するかを決め、店員を呼びます。
俺「チャーシュー麺」
店員「チャーシュー麺ですね。こだわりはありますか?」
俺「!?」
こだわり?
多分、麺の硬さとか、そういうのだと思いましたが、よくわからなかったので「特にないです」と答えました。
注文したチャーシュー麵は数分で運ばれてきました。
早速食べてみたのですが、家で母が作ってくれるラーメンより遥かに美味しい。
外で食うラーメンってこんなにうまいのかと思いました。
さて、そんなわけでハンバーガー屋、牛丼屋、ラーメン屋は入れるようになったわけですが、そんな私でも未だに入れないお店があります。
それが喫茶店です。
これまた私がよく行く倉庫の近くによさげなカフェがあるのですが、入ってみたいなと思いつつ、いつも前を素通りしてしまう。
牛丼屋やラーメン屋と違い、店員もお客さんも女性が多いから入りにくいのかもしれません。
俺みたいな人間が入っていいものかとためらってしまいます。
でも、いつかは入ってみたい。
いいですよね、喫茶店。
仕事の後、喫茶店でアイスコーヒーを飲みながら、まったりとした時間を過ごしてみたいです。