派遣の仕事でいろんな場所に働きに行きます。
私が今やっているのは倉庫内軽作業の仕事。
倉庫内軽作業といっても色々ある。
仕分け、ピッキング、検品、梱包、封入、シール貼り、組み立て、等々。
私は絶望的に不器用なので、どんな内容の仕事であっても普通の人と比べて作業を覚えるのに時間が掛かってしまいます。
社員やパートから
「もっと早くできない?」
「そんなんじゃ終わらないよ」
などと急かされることもしばしば。
ですが、そんな不器用な私でも同じ仕事を続けているとだんだんと慣れてきて、普通にこなせるようになります。
つい何年か前までは、
「自分のような人間にできる仕事など何もないのではないか」
なんて悲観に暮れていましたが、そんなことはなかった。
しかし、そんな私でもこれだけは絶対に慣れることは無いと断言できる作業があります。
それは「流れ作業」です。
数多くの倉庫に出向き、様々な現場で働いてきましたが、流れ作業だけは本当に超絶苦手です。作業についていけなくて迷惑をかけたことが何度もありました。
以前、一度だけ働いたとある倉庫での出来事。
そこはお菓子を扱ってる倉庫でした。
この日の仕事はお菓子の箱詰め。
お菓子を入れる段ボール箱がローラーコンベアーで次々と流れてきます。
私の仕事は自分の前に流れてきた段ボール箱に、お菓子の入った箱を4つほど詰めて、その段ボール箱を流していくというもの。
ただ詰めればいいというわけじゃなく、入れる向きや順番が決まっています。
正しく詰めないと、すべてのお菓子がきちんと入りません。
作業開始前、社員から詰め方を教わりました。
「ね? 簡単でしょ?」と言わんばかりの社員。
確かに、社員が簡単にやってのけるのを見てると自分にもできそうな気がしてきます。
「あ、意外と簡単そう……」なんて思いました。
だけど、作業が始まり実際に自分がやってみると不思議なことに全くできない。作業についていけない。
最初は優しかった社員も、もたついている私を見てイライラし始め、最終的に
「ああ、こりゃダメだ」
の一言と共に、私はラインから外され別の作業(荷物の運搬)に回されました。
この時は悔しかったですね……。
だけど、別の作業に回されてホッとしました。
流れ作業の何が嫌って、ラインに一人でも遅い人がいると他の作業者にも迷惑をかけてしまう点です。
このようなことがあって、この倉庫には二度と行かないと決めました。
これ以後も流れ作業は別の倉庫で何度かやっているのですが、作業についていけないのはどこの現場でも一緒でした。その度に厳しい言葉を投げかけられ、屈辱感や無力感を味わっています。
傷つくのがわかっているので、たとえ時給が高くても金輪際流れ作業はやりたくありません。そういう倉庫は避けるようにしています。
それにしても、流れ作業が得意な人ってすごいですね。どうしてあんなにてきぱきと精確に動けるのでしょう。
同じ人間とは思えません。